現実社会を見ると、富&財産、地位&名誉&権力、有名&人気などを「手に入れた人」と「何もない人」を問わず、ほとんどの人が生存心理をもって生きています。その結果、各個人が生存のために激しい競争の中で生きているのです。そして「手に入れた人」はさらに豊かになり、「何もない人」はより貧しくなる格差社会に進むのです。
例えば、10億を持つ人が、より多くのものを手にするために1億を持った人のものを搾取して奪うことが生存心理です。生存心理では、他人との共生の概念がないからです。それで他人のものを奪って自分がさらに多くを手にしようとします。
それで健康な社会になるためには、リーダー心理、自己実現心理、生存心理が適切な割合で維持されながら共に生きていく社会にならなければなりません。特に、リーダー心理が不在の社会は、「手に入れた人」たちが自己実現心理または生存心理であるため、彼らによって社会は左右され、格差はさらに深刻にならざると得ません。そしてこの方向は社会全体が共倒れになる危機状態です。
ほとんどの人は自分が持てないものに憧れ、それを手に入れるために努力をします。しかし、ほとんどの人が自分がどの心理階層であり、何が足りないのか、何を満たしたいのかも分からないまま生きています。ひたすら「多くのものを手にいれる方法」だけを教えながら、すべての人々を生存心理にさせています。その結果、リーダー心理の人も自己実現心理に人もすべて生存心理に変わってしまうのです。
心理階層を正確に知って生きてこそ、「手に入れた人」が「何もない人」を無視したりせずに健康な社会を作っていくことができます。自分の世代では心理階層の変化が非常に難しいために、次の世代またはその次の世代で心理階層が変化できるよう継続的に努力しなければなりません。
そのため、教育は「国家百年の計」と言うのです。
しかし残念ながら、現実社会の教育は一律的に生存心理に合わせられた教育政策が取られています。
皆さんが「手に入れた人」になりたいなら、心理階層別の「手にいれた人」の心理を知り、自分の心理階層に合った目標を立てなくてはいけません。心理階層について分からないと、リーダー心理だった人も自己実現心理または生存心理に転落し、自己実現心理は生存心理に転落してしまいます。
したがって富&財産、地位&名誉&権力、人気&有名などをたくさん手にすることよりも重要なことは、自分がどんな心理階層にいるのかを知らなければならず、この社会にどのような影響を与えているのかを知らなければなりません。そうしてこそ、人間関係の中で共に幸せに生きていくことができ、また自分が被害を被ることを予防して、人生危機から脱することもできるのです。